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トラリピの特許侵害訴訟の経緯を改めて振り返ってみた

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マネースクウェアは、トラリピで特許を取得してあります。数あるトラリピ類似システムの中iサイクルを特許侵害したとして訴訟を提起しました。2年がたち複雑になってしまったので簡単にその経過をまとめてみました。

始めはトラリピ。その後、類似システムが乱立

従来のFXに風穴をあけたシステムがトラリピ

FXの世界で、トラリピに似たシステムは今や数多く存在しているのが現実です。そもそも、なぜそんなに「トラリピ」類似システムが多くあるのでしょうか?連続発注機能を持つFXシステムである点がトラリピの最大の特徴です。このリピート系注文システムの元祖が紛れもなくトラリピで、マネースクウェアジャパンが2007年12月、最初に世に送り出したわけです。

「マネーゲームではない、資産運用としてのFX」を掲げ、為替相場にワナを仕掛け、相場の細かい値動きを捉えてコツコツと利益を積み重ねるトラリピ。従来のギャンブル型のFX業界に風穴をあけた画期的なシステムこそが、トラリピだったというわけです。

その後、増えに増えたトラリピ類似システム

マネーゲームではない、資産運用型のトラリピは、それまでのFXの常識を覆し、「資産を安定的に着実に増やしたい」と考えるユーザーに広く受け入れられました。ギャンブル型ではなく中長期的にコツコツと利益を積み重ねる点が高く評価され、最も信頼できるFXシステムとしての地位を確立しました。

すると、2013年後半頃から、「トラリピ」に類似したシステムが次々と登場しました。

最初は、アイネット証券の「ループ・イフダン」。その他、外為オンラインの「iサイクル注文」、インヴァスト証券の「トライオートFX」など、実に9社10種類もの類似サービスがそれに続きました。

マネースクウェアジャパンの公式HP内、「なぜマネースクエアジャパンの特許トラリピは模倣されるのか」の中で、「模倣者たちの多さはまた、そのアイディアの強さを証明しているとも言える」とあるように、トラリピが広く受け入れられるFXシステムだからこそ、他が追随して類似システムをリリースしてきたのは間違いなさそうです。

ただし、トラリピがユーザーに受け入れられてきたのは、この発注機能の評価が高いためでもありますが、それに加えて充実したセミター等、質の良いサービスが提供されているからこその話です。他方トラリピ類似システムの多くのアピールポイントは、本家トラリピよりも低コストである点ですが、低コストであるが故の不安も小さくありません。

※こちらもお読みください

ループイフダン、iサイクル注文、トライオートFXなどトラリピ類似サービスのリピート系発注機能を比較

 

ついに特許許侵害訴訟に発展

外為オンラインの「iサイクル注文」を差止め要求

2015年2月、(株)マネースクウェアHDは(株)外為オンラインを提訴しました。

外為オンラインの「サイクル注文」と「iサイクル注文」が、マネースクエアHDが保有する特許権(特許第5525082号及び特許第5650776号。後に、特許第5826909号を追加)を侵害しているとして、サービスの差止めを求める訴えを起こしたのです。

外為オンライン以外にも、たくさんの会社が「トラリピ」類似システムをリリースし、顧客の獲得競争が激化していたFX業界に衝撃を与えるニュースとなりました。

およそ2年にわたる訴訟の経過

マネースクウェアHDが起こしたこの訴訟は、2年間にも及ぶ長期訴訟となりました。2015年2月に提訴してからの主な経緯は以下の通りです。

2015.2 マネースクウェアHDが、外為オンラインの「サイクル注文」「iサイクル注文」の差止めを求める訴えを東京地方裁判所に提起(特許第5525082号及び特許第5650776号。後に、特許第5826909号を追加)
2016.4 外為オンラインが「iサイクル注文」の特許を取得
2016.6 マネースクウェアHDが外為オンラインに対し、新たに別の特許侵害訴訟を提起(特許第5941237号)
2016.12 外為オンラインが特許庁に対し無効審判を請求していた、「トラリピの特許」の有効性が認められる

敗訴から控訴へ

2017年2月10日、残念ながら、マネースクウェアHDが提訴していた、外為オンラインの「サイクル注文」「iサイクル注文」に対する差止め要求は認められないとの判決が下りました。マネースクウェアHDは同日に次のコメントを発表しました。

当社といたしまして、本判決は到底容認できるものではありませんので、控訴を行うこととし、既に手続に着手しております。控訴審において当社の主張が認められるよう、引き続き断固として戦って参る所存です。

その後、2017年2月24日、知的財産高等裁判所に控訴を提起したとのリリースが発表され、正式に控訴したことが明らかとなりました。

トラリピの特許侵害訴訟裁判、そもそもの争点はどこにあるの?

この裁判は、マネースクウェアHDが外為オンラインを「特許権の侵害」で訴えたものでしたが、そもそも、「特許権の侵害」とはどのようなことを言うのでしょうか。

トラリピの特許侵害訴訟裁判の争点

経済産業省のHPによると、「第三者が特許権者から実施を許諾されていないにもかかわらず、業として特許発明を実施などする場合は、特許権の侵害となる」と説明されています。そもそも、特許権と一言で言ってもその中身は複雑で、商品やサービスそのものの特許もあれば、商品やサービスの一部の特許、商品やサービスに関わるプログラムやシステムの特許もあります。

実際、マネースクウェアHDが取得している特許は数多くありますが、一例として、以下のシステムはシステム個々の特許を取得しています。

・トラップトレード特許 第4278664

・リピートイフダン 特許第4278664

・トラリピ(トラップリピートイフダン)特許第4445006号

・ダブルリピートイフダン 特許第4815540号

・らくらくトラリピ 特許第5194132号

・決済トレール 特許第5841277号

今回、マネースクウェアHDが「特許権の侵害」と訴えた特許第5525082号、特許第5650776号、特許第5826909号は、「注文と約定を繰り返すプログラム」に関わる特許となっています。つまりこの裁判は、「リピート注文」に関わる特許で、外為オンライン側の「特許権の侵害」が認められるか否かが争われたことになります。

外為オンラインの言い分

具体的に争点となったのは、売買の注文を設定する際に必要な「設定項目」、「入力情報」についてです。

トラリピでは売買注文を申し込むときに、「通貨ペア」「注文金額」「スタート価格」「利益金額(利幅)」「トラップ値幅」の5項目を入力します。一方、iサイクル注文では、「通貨ペア」「注文の種類」「参考期間」「想定変動幅」「ポジション方向」「対象資産(取引に使用する資産)」の6項目を設定します。

外為オンライン側はこの項目の違いを強調して違うと主張しているわけです。

マネースクウェアジャパンの言い分

対して、マネースクウェアHDは、「iサイクル注文」が「値幅」と「利幅」そのものの入力が不要とはいえ、「想定変動幅」と「対象資産」を入力することでトラップが等間隔に設定される仕組みになっているということは、外為オンラインのサーバーが「値幅」を決定しているのと同じことである、と主張しました。

確かに入力項目など、通る経過が多少違うとはいえ、最終的に両システムは同じ仕組みを持っているという点から見ると、外為オンラインの主張は単なる言葉ゲームであり、マネースクウェア側の言い分に一理あるように感じます。

「特許権の侵害」訴訟という、専門家でもなければなかなか理解しづらいこの問題。
マネースクウェアHDの控訴により、まだ裁判は第2ラウンドが始まったばかりです。
今後の経過も、注意深く見守っていけたらと思います。